私が株式投資を始めるきかっけになったのは、何気なく図書館で手にとった、もはやタイトルも覚えていないような投資信託に関する書籍を読んでからです。
それからというもの投資信託に関する書籍やネット情報を読み漁りました。
その中で投資は複利効果が期待できるので、長期保有すれば資産が数倍に膨れ上がると説明されているものが多かったと記憶してます。
マジか!これはお金持ちになる正攻法や!っと思い早速、楽天証券の口座を開設し、日経平均株価(日経225)に連動したインデックスファンドの積み立て投資を開始しました。
いろいろな書籍やネットの情報から、分配金は再投資することで複利効果が得られると書かれていたので、私もそれに従い「配当再投資」を選びました。
(本当は分配金を一切出さない、より複利効果が高くなるファンドが良いと聞いてたのですが、該当する商品がなかったので諦めました)
しかし、当時は投信の分配金ありと分配金なしの複利効果の違いが良く分かっていませんでしたので、今回はこの違いを整理してみました。
分配金ありの複利効果の考え方
例えば基準価額が10,000円の投資信託があり、これを10口所有していると仮定します。
投信評価額合計:10,000円×10口=100,000円
投資信託の運用成果10%増により基準価額が11,000円になりました。
投信評価額合計:11,000円×10口=110,000円
儲けが出たので投資信託から分配金が1口1,000円が支払われました。
そうすると基準価額1,1000円の投資信託は10,000円になります。
投信評価額合計:10,000円×10口=100,000円
分配金 :1,000円 ×10口=10,000円
合計すると110,000円になるので総資産としては分配金前と後では同じ金額です。
※ここでは税金は考慮しません。
ここで分配金10,000円を手にしたので、これを再投資します。
そうすると1口増やすことができますよね?
投信評価額合計:10,000円×11口=110,000円
そしてまた投資信託の運用成果10%増により基準価額が11,000円になりました。
投信評価額合計:11,000円×11口=121,000円
儲けが出たので投資信託から分配金が1口1,000円が支払われました。
そうすると基準価額1,1000円の投資信託は10,000円になります。
投信評価額合計:10,000円×11口=110,000円
分配金 :1,000円 ×11口=11,000円
ここで分配金11,000円を手にしたので、これを再投資します。
また1口増やすことができますよね?
投信評価額合計:10,000円×12.1口=121,000円
そしてまた投資信託の運用成果10%増により基準価額が11,000円になりました。
投信評価額合計:11,000円×12.1口=133,100円
儲けが出たので投資信託から分配金が1口1,000円が支払われました。
そうすると基準価額1,1000円の投資信託は10,000円になります。
投信評価額合計:10,000円×12.1口=121,000円
分配金 :1,000円 ×12.1口 =12,100円
計 :121,000+12,100=133,100円
これを繰り返していくと、当初保有していた10口の投資信託が11口、12口とどんどん増加していき、所有している口数が増えれば増える程に分配金の金額も増えていきます。
再投資しないで所有していると、10口のままなので分配金は常に同じ金額になります。
投信評価額合計:10,000円×10口=100,000円
分配金 :1,000円 ×10口×3回 =30,000円
計 :100,000円+30,000=130,000円
再投資した場合としない場合で3,100円の差がでたことが分かります。
この差が複利効果です。
要は分配金再投資により、投資信託の口数を増やしていくことで複利効果が発揮されることになります。
これはイメージしやすいのではないでしょうか?
分配金なしの複利効果の考え方
分配金ありと同じ条件として、
基準価額が10,000円の投資信託があり、これを10口所有していると仮定します。
投信評価額合計:10,000円×10口=100,000円
投資信託の運用成果10%増により基準価額が11,000円になりました。
投信評価額合計:11,000円×10口=110,000円
分配金を出さない為、基準価額は11,000円のままです。
投信評価額合計:11,000円×10口=110,000円
投資信託の運用成果10%増により基準価額が12,100円になりました。
投信評価額合計:12,100円×10口=121,000円
分配金を出さない為、基準価額は12,100円のままです。
投信評価額合計:12,100円×10口=121,000円
投資信託の運用成果10%増により基準価額が13,310円になりました。
投信評価額合計:13,310円×10口=133,100円
分配金ありの場合と最終的に同じ金額になりましたね。
要は分配金なしの場合は、基準価額の上昇によって複利効果が発揮されることになります。
しかし、基準価額は市場の影響を受けて、上昇したり下落したりするため、この複利効果を実感しずらいのではないでしょうか。
注意事項
- 今回の説明においては分配金あり、分配金なしの複利効果の説明を簡単にするために税金を考慮してません。実際は分配金に税金約20%が徴収されますので、一般的に分配金なしの方が効率的に複利効果を得られると言われてます。 (例では最終的に同じ金額になってますが、実際は分配金ありの方が税金分少なくなります。)
- 説明上常に投資信託の成長率を10%としてます。実際には基準価額は変動しますのでマイナス成長の可能性もあります。
まとめ
今回投資信託の複利効果について分配金あり、なしでどのように作用するか説明させて頂きましたが、結局のところ基準価額の変動に影響されてしまいます。
現実的にいくら複利効果があるからといって、投資信託購入時より基準価額が下落している時に売却すれば損失が出てしまいます。
その為、今回の私の書いた記事の説明や他のネット情報、書籍などのように綺麗な複利効果が確実に得られるものではありません。
一般的な複利効果の説明は「長期的にみると市場は右肩上がりに成長していく」という前提条件があるからです。
このことを認識した上で、投資することをおすすめします。
ちなみに日本株の成長は過去数十年間右肩上がりで成長していません。
しかし、米国は右片上がりで成長してます。
どちらに投資した方が複利効果があるのか一目瞭然ですね。