投資のヒント

【バフェット指標から見る】2018年1月 米国市場は超割高?

投稿日:

 

 

mktrです。

 

米国株式市場は連日の高値更新してますね。

天井がないんじゃないかと思うほどです。

 

米国市場が盛り上がっているのは良いことなのですが、個人的には現金をほとんど株に仕込めていない状況ということもあり、キャピタルゲインの恩恵はあまり受けられてません。

 

この状況がいつまで続くか誰も分かりませんが、指標によりある程度確認することができます。

 

その指標の1つとしてバフェット指標があります。

 

バフェット指標とは?

 

バフェット指標とは、

 

 

投資の神様とも言われる、ウォーレン・バフェット氏が愛用しているとされる、ある国のGDPと上場株式の時価総額の総和を比べる指標をいいます。

これは、ある国の株式時価総額増加率と名目GDP成長率は長期的には収斂するとの主張に基づくもので、ある国の株式相場に急落の可能性は高まっていないか、あるいは逆に売り込まれすぎていないかを見る場合に使われます。

出典:ifinance

 

上記より、以下の計算で表すことができます。

 

 

バフェット指標(%) = (時価総額 ÷ 名目GDP)×100

 

 

この指標はどの国でも使えます。

米国であれば、「(米国の時価総額÷米国の名目GDP)×100」となります。

 

2001年のフォーチュンとのインタビューで、バフェットは、 「 それはいつでもバリュエーションがどこにあるのかを示す最も優れた指標です 」と述べたという話なので、本指標への信頼が伺えます。

 

と言っても、実はバフェット指標は別名であり、実際はTMC/GDPレシオという以前からある指標のようです。

TMCが「トータル・マーケット・キャップ(時価総額)」でGDPが「国内総生産」になりますので、TMC÷GDPの指標ってことですね。

 

この指標から国内総生産より株式の時価総額が

 

  • 大きければ、株式市場は加熱している
  • 小さければ、株式市場は冷めている

 

と考えることができる訳ですね。

 

バフェット指標の評価基準

 

ではバフェット指標を使ってどう評価するか?ですが、GuruFocus というサイトに具体的な評価基準が記載されてましたので紹介します。

 

GuruFocusは5段階評価としてます。

 

①バフェット指標 < 50%

⇒過小評価(割安)

 

②50% < バフェット指標 <  75%

⇒適度に過小評価(やや割安)

 

③75% < バフェット指標 <  90%

⇒公正価値

 

④90% < バフェット指標 <  115%

⇒適度に過大評価(やや割高)

 

⑤115% < バフェット指標

⇒過大評価(割高)

 

これを見ると、50%を下回ると株式市場は冷え込んでいて、115%を超えてくると加熱していると判断することができます。

 

バブル、暴落から見るバフェット指標

 

では実際に過去のデータをみていきたいと思います。

 

 

赤線が「割高」のラインで、青線が「割安」のラインを示してます。

 

世界経済の歴史イベント(過去20年)でバフェット指標がどうに推移していたか確認していきます。

 

 

1994年~2000年 ITバブル(ドットコムバブル)

 

言わずとしれた、1990年代からアメリカを中心としたIT企業の急伸と、異常な株高によってもたらされたバブルでした。

 

当時はドットコムが社名に入っているだけで、(実績も無いのにもかかわらず)株が買われてました。

その為、超高PERな企業がたくさんあったようですね。

 

この時の指標を見ると、1994年で62%だった指標が右肩上がりで推移し、1997年には割高水準の115%を超えてます。

その後、2000年にはなんと148.5%まで上がり続けてます。

 

時価総額がGDPの1.5倍まで成長したことになりますので、いかに株式市場が過熱していたかわかりますね。

 

そしてバブル崩壊と共に、2002年には73%まで低下してます。

 

2008年 リーマンショック

 

2008年に、米国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが経営破綻したことを発端に、連鎖的に世界的金融危機が発生した事象です。

 

投資家の皆さんも記憶に新しい歴史的暴落でした。

 

当時私は投資はしていなかったですが、それでも世界全体がパニックになっていることがわかりました。

それぐらい凄まじかったことになります。

 

で、指標ですがITバブル崩壊の傷も癒えて2007年には110%まで上昇してます。

その後、リーマンショックをトリガにズルズル低下して2009年には57%まで低下してます。

 

55%は割安水準なので、当時は誰もが株式投資を敬遠しており、株式市場が冷え切った状態だったことがうかがえます。

 

なんと!現在はITバブルと同じ水準

 


 

ちなみに図の一番端が2018年1月現在を表してます。

吹き出しに149%って書いてありますね。

 

そうなんです。現在のバフェット指標は過去最高水準の149%を超えてるんです。

 

実態の無い企業の株が買われまくって超高PERだった頃のITバブルより、現在の方が市場が過熱してることになります。

 

しかし、現在バブルって感じはしないですね。

バブルは弾けて初めてバブルって気づくみたいなので、実は今はバブルなのかもしれません。

 

ただ、バブルであれ、そうで無いであれ、バフェット指標から分かるのは過去の歴史から見て、現在株価がかなり割高だってことは間違いないようです。

 

最後に

 

バフェット指標から見ると現在の米国市場はITバブルと同じ水準で、割高だということが分かりました。

 

しかし、これはあくまでも過去の水準と比較した結果であり、過去と現在の状況も異なりますし、様々な要素が絡み合っているため、直近にリセッションが来るかどうかは分かりません。

 

だからといって、割高な株価やリセッションを恐れて投資しないことは機会損失になりかねませんので、引き続きルールに従い、米国株、ETFを積立て投資し、市場に居続けようと思います。

(何度も同じこと書いていて恐縮ですが、大事なことなので)

 

また、リーマンショック後のバフェット指標は57%と超冷えこんでますが、この時に投資していれば現在大きな利益を得られたことになります。

 

その為、市場が冷え込んでいる時こそ、皆と同じ行動をせずに追加投資していくぐらいの気持ちが大切ですね。

 

バフェット指標はあくまでも1つの指標としてですが、引き続きウォッチしていきたいと思います。

 

 

 

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