先日、大好きなテレビ番組「モーニングCROSS」内の企画であるオピニオンCROSSで「空気電池」を紹介してました。
空気電池って皆さんご存知ですか??
私は全く知らない知識だったこともあり、非常に興味がある内容でした。
また、技術の進歩は投資家としても抑えておきたいところです。
なのでちょこっとですが調べてみました。
一次電池と二次電池
電池には大きく分けると1次電池と二次電池の2種類あります。
一次電池は「一度完全に放電してしまったら捨ててしまう、使い切りのタイプ」
二次電池は「充電して繰り返し使えるタイプ」
になります。
身近なものだと、一次電池は電気屋さんや100円ショップに置いてある乾電池ですかね。
二次電池はスマホの電池やPCのバッテリーなどです。
二次電池の主流はリチウムイオン電池
現在市場で主流となっている二次電池はリチウムイオン電池です。
しかし、ハイブリッド自動車や電気自動車(EV)に搭載するような電池となると、リチウムイオン電池では力不足なのが現状のようです。
そこで、リチウムイオン電池に代わる二次電池として現在注目されるのが空気電池となります。
空気電池とは?
陽極として空気中の酸素を活性炭などに吸収させたものを用い,陰極として亜鉛を,電解質溶液として塩化アンモニウム,水酸化カリウムなどを用いた電池。起電力は 1.3~1.5V。マンガン乾電池に比べて低負荷で寿命が長く,電圧も少い。亜鉛空気電池のほか金属空気電池の新型のものが電気自動車用などの高エネルギー密度の電池として期待されている。
出典:コトバンク
上記は引用ですが、難しくて何を言っているか分かりませんね・・・。
私なりに噛み砕いて説明しますと、
電池はマイナス極から、プラス極に電子が流れることによって電力が発生します。
これまでの二次電池(リチウム、ニッケル等)は、この電子移動のためにプラス極とマイナス極どちらにも何かしらの物質を必要としてました。
リチウムイオン電池の場合、必要な物質は炭素とコバルト酸化物になります。
しかし、空気電池はプラス極に物質が不要になります。
マイナス極に亜鉛、プラス極には空気(大気中の酸素)があれば発電することができてしまうんですね。
↓の図が理解しやすいと思います。
出典:j-net21
空気電池の優位性と将来性
空気電池とリチウムイオン電池を比較した優位性は以下です。
重さやコストが5分の1に軽減
空気を使うことで、発電する為のプラス極の物質が単純に不要になる為、その分重さもコストも下がることになります。
電力の大容量化
同じ重さの電池であればマイナス極に必要な物質を多く搭載することで利用できる電力の大容量化も可能になります。
安全性に優れている
スマホ、PCのバッテリーが発火する事件が多数ありますが、空気電池では利用する物質から発火する可能性はゼロに近いようです。
その為、空気電池は実は既に補聴器に使われています。
身近なところで実用化されていたとは知らなかったですね。
環境にやさしい
リチウムイオン電池などは、材料にコバルトなどの希少金属を使用してますが、空気電池は埋蔵量の多い物質を利用していることと、発電時に排出する物質もほとんどないため、環境にやさしい電池と言えます。
空気電池の関連銘柄
リチウムイオン電池は誕生から10年足らずで二次電池の市場規模1位となったのですから、それに打って変わる電池が誕生すればそれ以上の拡大が期待されます。
それが空気電池だとすれば、開発し、実用化させた企業が急成長する可能性があります。
なので、空気電池の研究/開発に力を入れている企業を調べてみました。
テスラ(TSLA)
言わずと知れた、電気自動車(EV)のリーディング企業です。
テスラは、2017年にEVの金属空気電池の充電技術で特許商標庁の特許を取得したみたいです。
空気電池の実用化によっては、一気にEVのシェアを伸ばす可能性があります。
トヨタ(TM)
日本が代表する企業である、トヨタ自動車です。
NYSEでADRとして購入可能な銘柄なので、一応入れました。
トヨタ自動車はパナソニックが電気自動車(EV)などに使用する車載用角形電池事業について、協業することで検討を開始しています。
2大企業が協業することもあり、次世代二次電池の開発で米国より先行する可能性もありますね。
インターナショナルビジネスマシーンズ(IBM)
ちょっと意外ですが、IBMも電気自動車向けリチウム空気電池の開発プロジェクト(Battery 500プロジェクト)を進めているようです。
しかも、旭化成とセントラル硝子株式会社の2社がチームに加わっているとのこと。
発足当初は2020年に実用化を目指していたようですが、現在の進捗状況はどうなのでしょうかね・・・。
ちなみに私はIBM株保有者なので、がんばってもらいたいところです。
まとめ
空気電池の実用化により、やはりEV関連企業に大きく影響を与えそうです。
とはいえ、特にステラは業績に対して異常に株価が高いこともあり、既に株価に織り込まれている気がするのは私だけでしょうか?
正直、空気電池実用化により急成長しそうだという理由だけでステラ株を買う気にはなれません。
私は連続増配・高配当のディフェンシブ銘柄への投資が好きなタイプの投資家ですので。
しかし、IBMが空気電池の開発をしていることは全く知りませんでした。
IBMがこの分野で先行すれば、ディフェンシブ銘柄好きの投資家も恩恵を受けることも十分ありえますので、ホールドし続けようと思います。
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以下に参考ですが、空気電池で実用化されている商品をご紹介します。
↓記事内でも紹介した、補聴器の電池です。
↓補聴器以外の電子機器にも対応可能な空気電池もあるみたいです。
↓水や海水を入れるだけで発電可能なマグネシウム空気電池。
被災時の発電機として活躍が期待されます。
なんとスマホなどの携帯機器が20回フル充電可能!