私はバンガード・米国高配当株式ETFに投資しています。
なぜかと言うと、
- バンガードが好き
- 高配当銘柄が好き
だからです。
これを満たしてくれるのが、米国高配当株式ETFなんですね。
しかし、高配当銘柄を集めたETFなのですが、現在の配当(分配金)利回りは2.7~2.8%程度です。
低くもないですが、高配当でもないですよね?
その為、最近VYMより良いETFがないものかと考えていたところ、多くのブロガーさんがHDVを保有していることに気づいたのです。
そして、配当(分配金)利回りが3.4~3.5%程度だということも・・・・。
という訳で、今回はHDVについて調査し、VYMと比較/検討したいと思います。
基本情報
まずは基本情報で比較したいと思います。
基本情報で特に重要なのは、経費率でしょうか。
VYM
バンガード社が販売している米国高配当株式ETFです。
ベンチマークはFTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスで、設定日は2006/11でリーマンショックよりも前に登場したETFです。
経費率は0.06%と一般的には低いですが、バンガード社のVTIやVOOに比べると若干高い水準ですね。
※2019年2月27日に経費率が0.06%に改定されました。
HDV
ブラックロック社が販売している米国高配当株式ETFです。
ベンチマークはモーニングスター配当フォーカス指数で、設定日は2011/3でリーマンショック後に販売されたETFです。
経費率は0.08%です。
評価
- 経費率についてはVYMが0.06%、HDVが0.08%であり、VYMの方が低い
- 他に異なる点は連動するベンチマークと設定日
- VYMの方が設定日が古いので実績があると言える
保有銘柄とセクター
保有銘柄とセクターについて確認していきます。
基本情報の通り、連動するベンチマークが異なりますので、ここで各ETFの違いが出てくると想像できます。
VYM
VYMの保有銘柄数は約400銘柄です。
保有銘柄の上位3位がマイクロソフト(MSFT)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、エクソンモービル(XOM)となってます。
上位10位で占める割合が30%程度です。
高配当銘柄のETFですが、1位のマイクロソフトの配当利回りは2%以下で、ジョンソン&ジョンソンは2.5%程度と配当利回りの低い銘柄が上位にいます。
セクター別ではテクノロジーが1位で、次に2位金融、3位ヘルスケアと続いてます。
こちらは上位3位で40%を占めてます。
HDV
HDVの保有銘柄数は78銘柄です。
保有銘柄の上位3位がAT&T(T)、エクソンモービル(XOM)、ベライゾン(VZ)となってます。
上位10位で占める割合が60%以上とメチャ高いのも特徴的ですね。
また、上位3位の配当利回りは平均で約4.7%と高配当銘柄です。
VYMで上位のマイクロソフト(MSFT)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)がHDVの保有銘柄に入っておりません。
同じ米国株高配当ETFでも違いが鮮明に出ています。
セクター別では1位生活必需品で、次に2位エネルギー、3位電気通信となってます。
こちらは上位3位で54%を占めてます。
VYMの上位3位の占める割合は40%程度でしたので、HDVの方がより集中的(攻撃的)なポートフォリオと言えそうです。
また、VYMで上位のセクターであった、テクノロジー(情報技術)、金融、ヘルスケアは上位ではありませんが、占める割合は30%と意外に高く、上位3位と合わせると全体の85%になります。
これは、それ以外のセクターの割合が低く、悪く言えば分散が効いていないことになります。
(良く言えば上記の通り、集中投資していることになります。)
評価
- VYMは保有銘柄数が約400で、1銘柄/セクター辺りの保有率が小さく、分散投資型である
- HDVは保有銘柄数が78で、1銘柄/セクター辺りの保有率が大きく、集中投資型である
- VYMの保有上位3銘柄の配当利回りは約2.8%
- HDVの保有上位3銘柄の配当利回りは約4.7%
パフォーマンス
VYM,HDVの設定来、直近5年のチャートです。
青色の線がVYM、オレンジ色の線がHDVになります。
設定来
設定来のパフォーマンスはVYMは+68.53%、HDVは+69.78%と僅かにHDVの方が高いですが、大差は無いようです。
HDVはリーマンショック後に販売された商品の為、設定来右肩上がりですね。
5年
直近5年のパフォーマンスはVYMが+57.16、HDVが+34.85%とVYMの方が高いです。
これはVYMは絶好調のテクノロジー比率が高く、低迷中のエネルギー、電気通信比率が低いですが、逆にHDVは電気通信、エネルギー比率が高く、テクノロジー比率が低いことが原因と考えられます。
チャートを見ると、2017年を境に差が顕著になっていますね。
そう、2017年はテクノロジー銘柄が高騰した年であり、エネルギー、電気通信が低迷した年だからです。
評価
- 設定来ではパフォーマンスに大差はなし
- 直近5年ではVYMの方がパフォーマンスが高い
結論
上記3項目から、総合的に評価しますと、
- YVMは分散投資型。市場平均への連動性は比較的強いが、配当利回りは低め
- HDVは集中投資型。市場平均への連動性は比較的弱いが、配当利回りは高め
と言えそうです。
と、VYM、HDVの特徴を確認してきましたが、結論として私はHDVには投資しないことにします。
理由はHDVの上位銘柄は個別投資している銘柄と重複しているからです。
具体的にはT、XOM、PFE、PM、PGですので、上位10位中半分は既に投資しているか、これから投資予定の銘柄になります。
その為、HDVに投資するならこれら個別銘柄に投資すればいいかなと。
最後に
私は上記理由でHDVへの投資を見送りましたが、HDVはVYMより「米国高配当株式ETF」と言える、非常に良い商品だと思います。
それはHDVはVYMに比べ、高配当銘柄へ集中的に投資しているので、個人投資家はHDVだけ保有していれば高配当銘柄を買い集める必要がないからです。
ETFは良い商品が多いので、最近は個別銘柄を保有する必要が無い気がしてきますね・・・。
まー、ただ面白いので個別株への投資はやめませんけど。