お金のヒント

【失敗に学ぶ】公開買付(TOB)投資の現実

投稿日:2017年12月10日 更新日:

 

mktrです。

 

皆さんは公開買付(TOB)投資をご存知でしょうか?

私はこれもIPOと同様に1年前(2016年)の冬くらいに実施していた投資手法?です。

 

きっかけは、当時持っていた「くろがねや」というホームセンターの株が、「DMCホールディングス」に公開買付されたことです。

当時私が所有していた「くろがねや」株は少し含み損を抱えてました。

 

しかし、公開買付のニュースが流れた瞬間に300円から500円ぐらいに高騰したのです。

 

当時、私は公開買付なんて知らなかったので、単純に「くろがねや」の業績が良かったのかなぁくらいで考えてました。

 

その後、証券会社から保有株が公開買付された旨のメールが来て、初めて公開買付の仕組みを知ることになりました。

 

公開買付(TOB)って?

 

公開買付とは

 

公開買付けとは、株券等の発行会社または第三者が、不特定かつ多数の人に対して、公告等により買付期間・買付数量・買付価格等を提示し、株券等の買付けの申込み又は売付けの申込みの勧誘をおこない、市場外で株券等の買付けをおこなうことをいう。なお、公開買付けの対象となる会社の取締役会の賛同を得ないで、買付者が公開買付けをおこなう場合を敵対的公開買付け(敵対的TOB)という。

出典:野村証券

 

まー簡単に言うと、「決められた期間」に「決められた枚数」を「決められた価格」で買いますよって株主に宣言する行為です。

 

これにより不特定の株主から株を買い集めることができ、よって企業の経営権を取得することが可能となります。

その為、主に企業買収や子会社化を目的に用いられることが多いようです。

 

公開買付による株主への影響

 

公開買付を宣言された株主は3つの選択を迫られます。

 

  • 公開買付に申し込む
  • 市場で売却する
  • そのまま保有する

 

公開買付が宣言されると「公開買付価格」が買付者(TOBを宣言した企業)が提示されます。

そして、その価格はほとんどの場合、市場で売買されている価格より高いことが多いのです。

 

公開買付に申し込む

 

買付者は公開買付価格で確実に買い取ってくれますので、必要な手続きをすることで公開買付価格で売却します。

手続きが面倒ですし、入金まで時間がかかる点を考慮する必要があります。

 

市場で売却する

 

公開買付が宣言され、公開買付価格が提示されると、その株価は公開買付価格付近まで上昇します。

その為、公開買付価格と変わらない株価で売却することも可能です。

 

そのまま保有する

 

公開買付後は上場廃止になる可能性があるので、株が紙切れになる可能性もあります。

一般投資家がこの選択をするケースはほとんど無いと思います。

西部HDとサーベラスのように稀に公開買付に応じないこともあるようです。)

 

公開買付投資とは?

 

上記の通り、公開買付の買付価格はほとんどの場合、市場より高いです。

その為、公開買付銘柄を保有できればリスク無しで利益を得ることができるのです。

 

では、どのように保有すればいいのか?

 

公開買付の情報をいち早くゲットし、公開買付銘柄を購入すれば良いのです。

 

私は「適時開示情報閲覧サービス」を利用して、タイムリーに情報を入手してました。

 

適時開示情報閲覧サービスは国内金融商品取引所が開示した投資判断上重要な情報を閲覧することが可能です。

この情報内に公開買付情報も含まれるのです。

 

公開買付投資の3つの罠

 

この記事書いているぐらいなのでお分かりだと思いますが、公開買付投資は儲かりません。

むしろ私の収支はマイナスでした。

 

公開買付投資の何に問題があったのでしょうか?

 

公開買付銘柄が買付られない

 

世の中には同じことを考えている人が大勢存在します。

 

その為、公開買付銘柄を買付ようと注文が殺到し、速攻でストップ高になります。

このストップ高は公開買付価格付近になるまで数日続くこともあります。

 

ストップ高になると、比例分配という方法がとられます。

 

比例分配とは?

売りと買いの注文株数が同じになったところで株価が決まり売買が成立するが、売買のバランスが極端に一方に偏って、株価がストップ高またはストップ安となった場合、証券取引所は、その株価で売買を成立させ、成立した株数を各証券会社に対して発注数量に比例して配分する。これを「比例配分」という。証券会社から各投資家(実際の注文者)への割り当ては、各社の社内ルールに基づいて行われる。

 

自分ではいち早く情報を入手し、買付注文を出したつもりですが、比例分配で買付できたことは1度もありませんでした。

 

ネット検索すると、マイナーな証券会社なら当選しやすいような内容があったので、複数口座開設しましたが、やはり買付できませんでした。

 

公開買付の一部買付

 

公開買付には大きく分けて、全株買付と一部買付があります。

 

全株買付は、公開買付者は公開買付銘柄の株を全て買付します。

この場合、公開買付銘柄の株価は買付価格付近まで上昇し、買付期間中はそのまま株価に変化はありません。

 

なぜかというと、すべての株式を確実に買い取ってもらえると株主が考えるからです。

 

一部買付は異なります。

この場合は、公開買付銘柄の株価は始めは買付価格を目指して上昇します。しかし、買付期間中にだんだんと株価が下落していきます。

 

なぜかというと、公開買付者は一部の株のみ公開買付する為、保有している株式を買い取ってもらえないのではないか?と株主が考えるからです。

 

初心者である私はそんなことも知らずに、公開買付という情報が発表されるや否や買付注文を出してしまいました。

 

普段は公開買付発表後に注文を出した銘柄は翌日ストップ高になり、比例分配になりますが、その銘柄はストップ高にはならなかったものの高騰はしました。

 

しかし、その株価は公開買付価格には遠く及ばない株価でした。

しかも、その後みるみる株価は公開買付発表前に戻っていきます。

 

すぐ自体がおかしいと気づき、損失覚悟で売却しましたが、結局は公開買付発表前の株価まで戻してしまいました。

 

そうです。

公開買付の一部買付に手を出すと、高値掴みすることになり、損失を被る可能性があるのです。

 

業務に支障がでてくる

 

この投資法は公開買付情報をいち早く入手して、買付注文を出す必要があります。

その為には、「適時開示情報閲覧サービス」を常にチェックし、新鮮な情報を入手する必要があるということです。

 

しかも、通常のサラリーマンの業務中に情報が公開されます。

(東証が退けた後の15:00~18:00間に公開されることが多い印象でした。)

 

業務中に「適時開示情報閲覧サービス」を定期的にチェックするのは非常に骨がおれる作業ですし、会議などしていると気になって集中できなくなります。

 

それは時間を拘束されるだけにとどまらず、本業に支障をきたす恐れがあるということです。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

このような投資法でお金を稼いでいる方もいらっしゃるようですが、私はオススメできません。

 

株式の短期トレードもそうですが、毎日の株価をチェックして一喜一憂したり、公開買付投資のように常に情報をチェックする行為は、非常にストレスが溜まります。

 

また、もっと問題なのは、仕事に集中できず、結果として本業に支障が出てくるということです。

 

サラリーマン投資家の資本は本業の稼ぎであり、その稼ぎを疎かにしてしまっては本末転倒だからです。

 

って、私が言える立場ではないですが、実際にやってみて分かったので多少損はしましたが勉強代と考えてます。

当時の私は金融リテラシーが低かったのだなと反省してます。

 

 

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