IBMが10月17日に第3四半期決算を発表しました。
売上高は前年同期比1%減の192億ドルであるものの、予想では186億ドルでしたので予想より良い結果でした。
1株あたり利益は予想3.28ドル1株に対し、結果は利益は3.30ドルでこちらも予想より良い結果でした。
その為、IBM株価は9%(146$から160$)近く上昇しました。
3Qのセグメント別売上
IBMの事業セグメント別に3Qの結果を見ていきます。
(Global FinancingとOtherの説明は割愛します。)
2017年3Q セグメント別売上
2016年、2017年3Qの売上比較
Cognitive Solutions Segment
ソリューションソフトウェアとトランザクション処理ソフトウェアで構成されており、今流行りのIoTやワトソンを扱う事業のようです。
上記の2016年との売上比較の通り、本事業は前年より売上増となってます。
現在は売上の23%ぐらいですが、今後はこの分野を拡大していき売上のウエイトを上げていくものと思います。
Global Business Services Segment
グローバルプロセスサービス、コンサルティング、およびアプリケーション管理で構成されてます。
恐らくコンサルメインの事業ではないかと思います。
この事業は前年より売上下がってますね。
Technology Services and Cloud Platforms Segment
GTS(グローバルテクノロジー・サービス)事業とそのクラウドインフラストラクチャとプラットフォーム事業のようです。
GTSって何だろう?と思い調べたところ、「ITサービスやアウトソーシング、メンテナンス、テクニカルサポートを提供し、企業における戦略的なITインフラの構築と運用を担う部門」とのことです。
要するに企業にITサービスを導入して、運用する事業です。
私はSEということもあり、日本でIBMと言えばこのイメージです。
売上の44%を占めるメイン事業であることが分かります。
上記グラフでは分からないですが、3Qのクラウド事業は好調なのにもかかわらず、2016年と比較すると売上減となっていることからGTSが落ち込んでいるものと思います。
Systems Segment
システムのハードウェアとOS(オペレーティングシステム)ソフトウェア事業です。
2017年3Qでは「IBM Z」という次世代のメインフレームの売上好調により、好決算になったようです。
IBM Zを調べたところ、セキュリティを担保しつつ、高トランザクションを処理できるメインフレームのようですね。
「IBM Z」は、暗号化されたトランザクションを1日あたり120億件処理できる能力を備えている。同システムはあらゆるデータを常時暗号化し、企業の攻撃対象領域をおよそ92%削減するという。
確かに、売上は10%増となってます。
雑感
3Q決算結果をセグメント別で整理してみましたが、意外にハードウェア事業の好調によるものということが分かりました。
ただハードウェア事業は斜陽産業である為、今後もこの分野での売上急増は難しいのではないかと思います。
しかし、Cognitive Solutions Segmentや(クラウド等の)戦略分野の収益が増加していることから、今後もIoTやワトソン等の注目分野での成功を期待できるのではないかと考えてます。
IBMは22四半期連続減でバフェットも売却を決断するほどでしたが、本期より復活の兆しが見えてきているのではないでしょうか?
ちなみに私はIBM株を所有しており、3Q決算による株価上昇により含み損から含み益になってます。
(それでもバリュエーションをみると、PERが13倍程度なのでまだまだ割安感あります。)