先月NGGから配当金を頂きました。
その配当金額は103ドルで、手取りは102ドルでした。
ほとんど「配当金=受取り配当金」の構図です。
これを可能にしているのは、「NISA口座+米国ADR銘柄」であるからです。
本来、米国株の配当金は、「外国税(米国10%)+日本の税金(20.315%)」が徴収され、残りが受取配当金となります。
しかし、NISA口座で日本の税金を0%、米国ADRで外国税を0%とすることが可能なんですね。
ADR(米国預託証券)とは?
ADRとは米国以外の企業の株式を、米国株と同じように、ドル建てで米国市場で売買できる、株式と同じ性質を持つものです。株主権利も発生し、配当金等の株主還元も享受できます。
厳密には違いますが、米国以外の企業が米国市場で売買できるものと考えると分かりやすいと思います。
日本では、トヨタや三菱UFJ銀行等、多くの大企業がADRを利用しています。
SBI証券で取扱うADRで、外国税0%は5か国
SBI証券で扱っているADR銘柄で外国税が0%の国は以下5か国でした。
- イギリス
- オーストラリア
- インド
- ブラジル
- 香港
意外と多いですね。
発展途上国も含まれますが、個人的には米国株を中心とした先進国への投資を好むので、対象はイギリスとオーストラリアかな。
外国税無しで利回り3%以上の高配当銘柄
SBI証券で扱うADRで、先進国且つ、配当利回りが3%以上の高配当銘柄を一覧にまとめてみました。
※2019年4月1日現在
銘柄 | ティッカー | 事業内容 | 配当利回り | 増配年数 |
---|---|---|---|---|
アストラゼネカ | AZN | 英国の総合製薬会社 | 4.49% | 0年 |
バークレイズ | BCS | 英国の大手金融グループ | 4.97% | 1年 |
BP | BP | 英国に本社を置く石油メジャー | 5.58% | 1年 |
BT グループ | BT | 英国の通信サービス会社 | 3.76% | 7年 |
ブリティッシュ アメリカン タバコ | BTI | 英国のたばこ企業グループ持株会社 | 6.42% | 1年 |
グラクソ スミス クライン | GSK | 英国の総合製薬会社最大手 | 5.62% | 1年 |
HSBC ホールディングス | HSBC | ロンドンに本店を置く世界的総合金融グループ | 10.35% | 0年 |
ナショナル グリッド | NGG | 英国でガスの供給を手がける公益事業会社 | 3.79% | 1年 |
ロイヤル ダッチ シェル B | RDSB | 原油の探査、採掘、生産、精製を手掛ける多国籍企業 | 5.88% | 0年 |
プルデンシャル | PUK | イギリスに本社を置く保険会社 | 4.36% | |
リオ ティント | RIO | 英国、豪州を拠点とする国際鉱山会社 | 5.96% | 2年 |
ユニリーバ | UL | 英国の消費者向けブランド品、パッケージ品のメーカー | 3.05% | 3年 |
ボーダフォン グループ | VOD | 英国の音声・データ通信をはじめとする移動通信サービス会社 | 5.76% | 2年 |
BHP ビリトン | BHP | オーストラリアの国際的総合資源会社 | 3.92% | 2年 |
ウエストパック バンキング | WBK | オーストラリアの大手銀行 | 7.10% | 2年 |
まとめてみて分かりましたが、イギリスADRの半分以上は利回り3%以上の高配当銘柄ばかり。
特に、イギリスの金融グループである、HSBC ホールディングス(HSBC)の配当利回りは異常に高いです。
しかし、これは株価低迷による利回り増と思いますので、投資対象として見極めが必要となります。
ちなみにオーストラリアADRはBHP、WBKの2銘柄を扱ってますが、どちらも高配当銘柄です。
WBKについては株価低迷中により、7%以上の利回りになってますね。
ADRで注意したいこと
高配当ADRは非常に魅力的ですが、良い事ばかりだけではありません。
「こんなはずでは・・・・」ということにもなりかねませんので、私が思う2つの注意点を書いておきます。
ADRによっては外国税が米国株より高い銘柄もある
勘違いしやすいのですが、全てのADRが外国税の面で米国より有利というわけではありません。
ADRは各国の源泉税率に従って徴収されますので、銘柄を選ぶ際には各国の源泉税率を調べるようにしましょう。
私は過去にノバルティス(NVS)を本気で保有しようと思いましたが、外国税がなんと35%である事が判明し、断念した経緯があります。
ちなみにノバルティスはスイス企業ですので、スイス企業への投資は、特に税金を考慮する必要があります。
ADR手数料の考慮が必要
冒頭でNGGの配当金は103ドルに対して、102ドル受け取れたと書きました。
ん!外国税も国内税もかからないのに、1ドル減ってますね・・・。
この1ドルがADR手数料になります。
マネックス証券に以下のような記載がありました。
預託証券の発行管理に関する費用実費をご負担いただきます。
預託証券を発行する金融機関(預託銀行)から、一定期間毎に管理費用が徴収される場合があります。この管理費用について、お客様のADR保有残高に応じて、実費を外国株取引口座の米ドルのお預り金からお引落いたします。(不足する場合は、ご入金が必要となります。)
一般的に四半期~1年毎に1株あたり0.25~5セント程度の管理費用がかかります。出所:マネックス証券
ADRを管理する為の手数料といったところでしょうか。
私が受取った配当金の明細です。
SBI証券では「外国手数料」として記載されてますね。
NGGは1株辺り0.02%、WBKは1株辺り0.005%であることが分ります。(外国手数料÷株数)
NGG、WBK共にそれ程高い手数料ではないので良いですが、銘柄によっては高いものもあるみたいなので、注意が必要です。
高配当だからと買付したものの、ADR手数料が1%~2%であれば、結局配当利回りは低くなりますので。
最後に
上述した通り、ADRは税金面で非常に有利になり得ます。
特にNISAとの相性は抜群ですので、NISA枠に余りがある場合などは外国税無しの高配当ADRへ投資したいところ。
とはいえ、高配当ADRだからどんな銘柄でも良いというわけでは無いので、銘柄選びは慎重に・・・・。
ちなみに私はNGG、WBK共にNISA枠を埋める為に投資しましたが、現在は絶賛含み損です。
銘柄選びが悪かったというよりは、タイミングが悪かったと信じたい・・・。
↓関連記事です。
NGGをNISA口座で買付した記事です。
WBKをNISA口座で買付した記事です。