私は一昨年住宅ローンの借り換えを行いました。
そこで疑問に思ったのが、借換えしても住宅ローン控除は受けられるの？ということでした。
住宅ローン控除の恩恵がなくなるのであれば、借換えなどしたくありませんからね。
結論から言うと、借換えした場合でも住宅ローン控除を受けることは可能です。
しかし、借換えの仕方によっては面倒な計算が必要になります。
今年も借換え後の年末調整で苦戦したので、備忘として記事にすることにしました。
借換えした場合でも住宅ローン控除の対象となる条件
借換えした場合、原則住宅ローン控除の対象にはなりません。
しかし、以下2つの条件を満たしていれば住宅ローン控除対象になります。
(1) 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
(2) 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること。
出所：国税庁
（1）は現在住宅ローン控除を受けているローンの借換えであればOK。
（2）は借換え時に住宅ローン控除の要件を満たしていることを意味してます。
住宅ローン控除の要件は、簡単に言うと以下でしたね。
- 自分が住んでいること
- 住宅の床面積が50平方メートル以上で、半分以上は住居であること
- 10年以上のローンであること
特に借換え時のローン期間が10年以内の場合は住宅ローン控除が受けられなくなりますので注意が必要です。
借換え後の住宅ローン年末残高の算出方法
借換えした場合、借換え時の新たな住宅ローンの金額によって、住宅ローンの年末残高の算出方法が異なります。
借換え直前の住宅ローンの残高≧借換えによる新たな住宅ローンの借入金額
住宅ローンの残高と借換え時の借金が同じ場合、又は、ローン残高より借換え時の借金が少ないケースです。
例えば、
- 借換え時のローンの残高が3,000万で、借換えのローンも3,000万とした場合
- 借換え時のローンの残高が3,000万で、2,800万だけ借換えした場合（200万は自己資金で充当）
などが考えられます。
このケースでは、借換え前と同じように、金融機関から送付されてくるハガキ（年末残高証明書）に記載された年末残高をそのまま記載することができます。
借換え直前の住宅ローンの残高＜借換えによる新たな住宅ローンの借入金額
このケースは実際の住宅ローンより多く、借換え時に借金した場合です。
特に、借換え時の諸費用（保証料/登記費用等）をローンに含めた場合などが多いのではないでしょうか。
※私はこのパターンに該当してました。
例えば、借換え時のローンの残高が3,000万で、借換えのローンは3,100万とした場合です。
借換え時のローン残高と、借換えローン金額との差分である100万は、当初住宅ローンではないので、この100万は控除対象外になるという考え方になるのですね。
このことから、そのまま申請すると具合が悪いので、以下計算式で算出する必要があります。
実際の年末残高 × （借り換え直前のローン残高 ÷ 借り換え金額）
年末残高が2,900万とした場合、
2,900万円 × （3,000万円 ÷ 3,100万円）＝ 2,900万円 × (0.96774) ＝ 2,806万円
となり、2,806万円を正式な年末残高として申請書に記載します。
年末残高の2,900万円より必ず少ない金額になるはずです。
借換えした年だけの手続きではないので注意
残念ながら先ほど説明した計算は借換えした年だけ行えばよいものではありません。
以降毎年行う必要がありますので、忘れないようにしましょう。
とはいえ、次は1年後になるので、計算式を忘れてしまい、年末調整でバタバタすることが容易に想像できます。
翌年以降の計算を簡単にする方法
ご安心下さい。
翌年以降の計算を簡単にする方法がありますのでご紹介します。
先ほどの計算式に注目すると
実際の年末残高 × （借り換え直前のローン残高 ÷ 借り換え金額）
赤字部分は、その後も不変の金額になりますので一度計算してしまえば、毎年の年末残高の積を求めればよいだけになります。
先ほどの例だと、
2,900万円 × （3,000万円 ÷ 3,100万円）＝ 2,900万円 × (0.96774) ＝ 2,806万円
赤字の「0.96774」さえ覚えておけばOKです。
翌年の年末残高が2,800万円であれば
2,800万円 × 0.96774 ＝ 2,709万円
と、すぐに算出可能になります。
その為、「借り換え直前のローン残高 ÷ 借り換え金額」の計算結果を、メモしておきましょう。
最後に
私も借換えにより、今回も住宅ローン控除の申請に手間をとりました。
しかし、上記の通り前年の計算結果を残しておけば、簡単に算出できます。
（私は今年気づいたので、来年からは簡単に計算できるはず・・・）
とはいえ、そもそもローン残高より多く借換えしたことで、面倒なことになってしまったのも事実です。
その為、借換え時にはローン残高と同じ、もしくは少ない金額を借金することをおすすめします。
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