先日、私の投資方針に影響を与えた、ジェレミー・シーゲルの「株式投資の未来」を再読しました。
この本に影響を受けた米国株投資家は、シーゲル流として高配当株の配当再投資を実践されている印象。
私もその影響をモロに受けてます。
しかし、再読してみると以前に見落としていた(もしくは忘れてしまっていた)重要な事に気付くことができました。
「株式投資の未来」の概要まとめ
株式投資の未来
ジェレミー・J.シーゲル/瑞穂のりこ 日経BP社 2005年11月
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株式投資の未来でシーゲル教授が言いたいことを簡単にまとめると、以下と理解してます。
- 長期投資においては、企業の成長力=リターンにはならない(成長の罠)
- 過去、株式の累計リターンの97%は配当再投資が生み出しており、キャピタルゲインのリターンは3%にすぎない
- 配当は下相場落で投資家を保護し、上昇相場ではリターンを押し上げる(下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセル)
- 先進国の少子高齢化は深刻だが、途上国の若者がモノを作り、退職者の資産の買手となることで、世界全体の繁栄は続けられる(世界的解決)
- 成長の罠は個別銘柄と同じように、各国の市場にも当てはまる
- 国際的なインデックス運用をポートフォリオのコアにする運用が推奨
本書前半では、成長の罠、配当の重要性について言及されており、私もこの要素がシーゲル流の基本的考え方だと思ってました。
後半(概要の黒太字部分)では先進国の少子高齢化という問題を提起、その解決策について言及されており、(正直記憶は曖昧でしたが)今回3つ気づきがありました。
シーゲルは米国市場を楽観視しているわけではない
株式の長期的リターンの「呆れるほどの持続性」が、過去の例のない人口構成の変化を前にして脅かされている。
高齢化の波はまもなく世界経済に影響を及ぼし始めている。
過去の米国株式のリターンの高さは人口動体が原動力になっていたと考えられます。
しかし、深刻な問題となっている高齢化は米国も例外ではなく、既に市場にも(リターン低落が)織り込まれているみたい。
その為、米国市場はこれからもイケイケということはなく、過去と同じ高いリターンを導き続ける可能性は低いと考えた方が良さそうです。
成長の罠は各国でも当てはまる
最近私は、米国は覇権国家で居続けることができるのか?いずれ中国に覇権国家の座を奪われるのではないか?
また、中国のシリコンバレーである深センの企業の快進撃により、世界のITをリードしていくのではないか?
ならやはり中国、インドなど人口ボーナスで経済成長が期待できる国に投資した方がいいのかもなぁっていう浮気心が芽生えそうでした。
しかし、本書ではGDP成長率と投資リターンもイコールにはならないことが書かれており、各国においても成長の罠は当てはまることを再認識。(うすうす気づいてましたが・・・・)
ちょうどモヤモヤしていたところだったので、目が覚めました。
シーゲルは国際分散投資をコアとすることを推奨
シーゲル流投資って、なぜか米国株高配当銘柄を保有し、配当再投資することで高いリターンを求めるものってイメージされていると思います。
しかし、実際シーゲルは国際分散投資をコアにすることを推奨してます。
あくまでも国際分散投資がコアで、米国株高配当銘柄はリターン補完戦略の1つにすぎません。
私のポートフォリオの50%はETF(インデックス)、残り50%は米国個別株。
ETFはVTIを30%、VTを20%としているので、米国株に偏ってますが一応国際分散していると言えます。
しかし、個別株については全く分散が効いていないことに気づきました。
シーゲルはポートフォリオの40%程度を米国以外に本拠を置く企業に投資することを推奨しています。
となると、個別株も米国株以外を検討したくなりますね。
最後に
久しぶりに我が聖書である「株式投資の未来」を読みました。
やはり名著は一度読んで終わりではなく、何度も読むことで新たな発見があるものだと実感。
また、実際に運用すると投資方針について色々悩みが出てきますが、初心に帰ることもできる点も再読のススメです。
とはいえ、読んだことで新たな悩みも増えましたけど・・・・。