私は米国株ETFとしてVTI、VYMを保有してます。
このETFの購入を考え始めた時に、一つの疑問が浮かびました。
ETFの分配金って投資信託の分配金を同じ考え方なのかな?と。
以下の記事で投資信託の複利の考え方を書かせて頂きましたが、投資信託は分配金を出すと基準価額がその分下落します。
そこで投資信託とETFを比較して分配金の考え方を整理したいと思います。
投資信託の分配金の特徴
まずは投資信託の分配金の特徴から見てきます。
分配金の原資は?
- 投資信託で運用している株、債券などの配当、利子から得られる利益(インカムゲイン)
- 株、債券などの売買で得た利益(キャピタルゲイン)
分配金の金額は何で決まる?
投資信託ごとに決められた分配方針に基づいて運用会社が決定します。
分配金による基準価額の低下
分配金を受取るということは運用成果の一部を受け取ることになります。
ということは、投資信託の資産から分配金が支払われることになるため、投資信託の資産が減少することになります。
基準価額は投資信託の資産合計の資産総額を口数で割ったものです。
その為、資産が減少することにより、基準価額もその分下がるということになります。
普通分配金と特別分配金
■普通分配金
自分が購入した価格よりも基準価額が高い時に出る分配金であり、儲けになる為、課税対象になります。
■特別分配金(元本払戻金)
自分が購入した価格よりも基準価額が低い時に出る分配金であり、儲けにはならない為、非課税になります。
特別分配金は毎月分配金の商品などで悪名高いイメージではないでしょうか?
これは運用が上手くいっていないのにもかかわらず、毎月一定の分配金を出す商品がある為です。
顧客側は配当のような感覚で資産が積みあがっている思いこみますが、実は元本が減り続けることになります。
その為、特別分配金自体が悪という訳ではなく、この制度を利用した悪い商品があるということになります。
積み立てと分配金再投資が可能
投資信託はほとんどの証券会社で積み立てと分配金再投資が可能です。
積み立てのメリットは、
- 買付の手間が省ける
- 定期的に買付可能なので時間分散が効く
- 買付タイミングを気にする必要が無く、精神衛生上良い
分配金再投資のメリットは、
- 自動的に再投資される為、手間がかからない
- 複利効果が見込める
ETFの分配金の特徴
今度はETFの分配金について見ていきましょう。
分配金の原資は?
- 投資信託で運用している株、債券などの配当、利子から得られる利益(インカムゲイン)
※キャピタルゲインは分配の原資にはなりません。
分配金の金額は何で決まる?
決算期間中の配当や利子などの利益から、信託報酬などの費用を差し引いた全額を分配することが法律で定められています。
分配金による株価低下は無し?
総資産額は配当や利子などの利益から積みあがる前に分配されることになるので、分配金により株価が低下するという考えはないようです。
要は投資信託の普通分配金により基準価額が低下しているのと同じだと思います。
特別分配金は無し
ETFは利益があれば分配金が支払われますが、利益が無ければ分配金は支払われません。
その為、特別分配金という考え方も無いことになります。
ETFは特別分配金により株価が低下することは無いので安心感があります。
積み立てと分配金再投資ができない
ETFでは積み立てができません。
その為、積み立てのメリットが受けられず、タイミングを見計らって自分で買付をしなければなりません。
分配金再投資にも対応してません。
その為、分配金が支払われた後に自分で再投資をしなければ、複利効果を得ることができないことになります。
まとめ
投資信託とETF共に分配金の原資は同じでも、分配金に対する考え方が異なってました。
投資信託は運用会社の裁量で決まりますが、ETFは法律に従って分配金が決まることになります。
そういう意味でもETFは非常に分かりやすいと思います。
利益があれば分配し、利益が無ければ分配しないからです。
投資信託は、積み立てや分配金再投資があるので初心者向けと思いますが、特別分配があるので非常に分かり難く、良い商品、悪い商品の見極めが必要になると思います。
ETFでは積み立てや分配金再投資ができないデメリットもありますが、特別分配金が無いことの安心感が非常に良いです。
また、個人的には定期的な買付と定期的な分配金再投資をすることでデメリットを解消し、ETFで複利効果を発揮させる運用がベストだと思ってます。