私はちょうど一年前に日本株を全部売却しました。
なぜかと言うと2016年末は、トランプが大統領になるリスクやリーマンショックから約10年の節目で、リセッションを恐れた為です。
年明け前に全株撤収って気持ちでした。
まー結果としてトランプラリーにより、2017年は米国株も日本株も上昇する結果となりましたけど・・・。
日本株を売却した結果、現金が残ったのでこれを生かそうと日本株のIPO投資を初めました。
実は今もIPOに申し込んでます。
初めた当初から1年間でどの程度儲かるものか試してみたかったからです。
そう、現在ちょうど一年になるので私の経験を含め、IPOの現実を書かせていただきます。
結局IPOは儲かるのか?
結論から言うと、IPOは儲かりません。
私のIPOの戦績は以下です。
- Mーソレイジア + 4,765円
- Rー三菱地所物流 + 19,630円
- ウェーブロックホールディングス – 3,926円
- クロスフォー + 3,1074円
- マクロミル – 9,380円
合計で42,163円のプラスになってます。
一見すると儲かっているように感じますね。
しかし、冷静に考えるとそんなことはないことに気づいたのです。
IPOの現実① 当たるには当たるが・・
冒頭で戦績を記載した通り、私は5件当選してます。
2ヶ月で1つくらいは当たる計算です。
そうなんです、意外と当たります。
しかーし、当たるIPOの大半が公募割れする可能性が高いものが多いです。
私はやさしいIPO株のはじめかたを参考にさせて頂いてます。
本サイトでは企業のIPO上場情報を掲載しており、大体総合評価がC or Dの公募割れリスクが高い案件が当たります。
経験上では公募価格が仮条件の価格レンジで一番高い価格でない場合は公募割れします。
当選したからいって嬉しさのあまり申し込むのではなく、グッとこらえて見逃しましょう。
私は見事にマクロミルでやっちまいました。
但し、証券会社によっては当選した銘柄を購入しないとペナルティがある場合がありますのでご注意下さい。
IPOの現実② 証券会社の口座数と当選率
IPOを初める前にネットで情報収集すると思いますが、その中で証券会社の口座が多ければ多い程当選します!
ってうたっているサイトを多くみかけます。
私は鵜呑みにして、計8社の証券口座を開設しました。
(SBI、楽天証券は日本株投資目的で既に開設済みでした)
- SBI証券
- 楽天証券
- SMBC日興証券
- みずほ証券
- 大和証券
- マネックス証券
- エイチエス証券
- 岡三オンライン証券
上記の中でIPOが当選した証券会社は以下でした。
- SMBC日興証券
- みずほ証券
- 大和証券
この証券会社には共通点があります。
それは主幹事を担当しているということです。
主幹事はIPO当選本数が他に比べて断トツで多いのです。
マネックス証券は100%抽選なので、誰でも当選する可能性あるよ!ってIPO紹介サイトでいってますが、そもそも当選枠がほとんど無いので当たりません。
その点、主幹事は10%が抽選枠とした場合でも、元の当選枠が多いので当選確率が高いことになります。
例えば、
マネックス証券の当選枠が10枚として、抽選枠は100%なので10枚になります。
SMBC日興証券の当選枠が1000枚として、ネット抽選枠は10%なので100枚になります。
抽選枠に90枚もの差が出てきます。
尚、主幹事と幹事の当選枠の差は妥当ですのでやさしいIPO株のはじめかたをご確認下さい。
なので、IPOの為に口座を開設するのであれば、主幹事を担当する回数が多い証券会社だけでいいと思います。
※SBI証券は主幹事を多く担当しますが、申し込み口数に応じて当選確率が変わるので、お金持ちじゃないと当選することはありません。
しかし、SBI証券はチャレンジポイントたるサービスを提供してますので、このポイントを貯めることで当選する可能性が上がります。
その為、SBI証券の口座開設するのもよいと思います。
IPOの現実③ 現金が拘束される
IPO申込にはお金が必要になります。
お金が必要になると言っても実際に申し込みでお金が取られる訳ではございません。
証券会社よってはIPO申込金額分のお金が口座に入っていないといけないってことです。
IPOは時期によっては1か月で数十社あります。
そうすると時期が重複する為、口座に数百万入金していないと申込すらできなくなります。
私が口座を開いている証券会社でこれに該当するのは
- SMBC日興証券
- マネックス証券
でした。
この問題は口座にお金が無いと申し込みができないということではありません。
現金をIPOの為に口座に入れる必要があるので、現金が動かせないってことが問題です。
要は本来投資できるはずのお金が投資できなくなるという機会損失を食らうということです。
結論
IPOの現実について書かせて頂きましたが、特に最後の「現金が拘束される」が盲点になります。
私は約300万円をIPOの為に、各口座に入金してました。
ということは、投資利回りは
(42,163円 ÷ 3,000,000) × 100 = 1.405%
になります。
既にお気づきの方もいるかと思いますが、リスクが比較的低く、1.405%よりも利回りが高い商品はたくさんあります。
その商品に投資していた方が、リターンが大きいのです。
例えば、BND(バンガード米国トータル債券市場ETF)があります。
分配利回りが2.46%(2017/11現在)ですので、これに3,000,000円投資すると1年後には73,800円の分配金を受取れます。
また、リスクについては以下チャートをご覧下さい。
1年チャートですが、株価は最低80.5円、最高で82.5円程度の動きしかありません。
これは「ボラティリティが低い=リスクが低い」と言えるわけです。
※尚、為替リスクは存在しますが今回の記事では為替は考慮してません。
ちなみに、IPO投資はリスク無しのイメージがあると思いますが、先に説明した通り公募割れのリスクがあります。
私も5件中2件は公募割れしているので、初心者にとってはむしろリスクが高いのではないかと思います。
このことから、投資としてIPOを考えている方は、他の有望な商品に投資することを検討してみてはいかがでしょうか?
とわいえ、生活防衛費など、投資資金以外でIPOを楽しむのは全然有りだと思ってます。
↓関連記事です。
BNDのボラティリティの低さと、まあまあな分配金はとても魅力的です。
投資資金が大きくなったら、是非ポートフォリオに入れたい商品ですね。