前回は、過去にS&P500より高いパフォーマンスを叩き出したダウ10種、ダウコア10種をスクリーニングしてみました。
今回は、そのダウ10種、ダウコア10種よりもパフォーマンスが良かったS&P10種、S&Pコア10種について、現時点でどの銘柄が該当しているのか?確認していきます。
S&P10種とは
S&P500のうち、時価総額上位100を選出します。
(これを一般的にはS&P100と呼んでます。)
その中で配当利回りが高い上位10銘柄を選出したものがS&P10種となります。
ちなみにS&P10種戦略は、この10銘柄を均等に保有し、年に1回見直しを行う戦略です。
利用する株式指標が異なるだけで、考え方はダウの犬戦略と似ていますね。
S&Pコア10種とは
先程説明したS&P100のうち、配当利回りが高い+15年連続配当をスクリーニングし、選出された上位10銘柄がS&Pコア10種となります。
これもダウコア10種と考え方が似ており、高配当なんだけど、実績も兼ね備えている銘柄となります。
S&P10種、S&Pコア10種のリターンは最も高かった
シーゲルによれば、S&P10種、及びS&Pコア10種はS&P500インデックスはもちろんのこと、ダウコア10種と比較しても最もリターンが高かったと紹介しています。
対象 | 年率リターン | リスク |
---|---|---|
S&Pインデックス | 11.18% | 17.02% |
ダウ10種 | 14.43% | 15.38% |
ダウコア10種 | 14.90% | 15.82% |
S&P10種 | 15.69% | 17.70% |
S&Pコア10種 | 15.68% | 18.20% |
参考:株式投資の未来より
しかし、上記表を確認すると、リターンが高いですが、リスクも高くなっていることが分かります。
が、シーゲルによればリスク1単位辺りの期待リターンである、リワード・リスク・レシオも最も高かったと紹介されていますので、リスクを考慮しても最もパフォーマンスが高い戦略だったと言えます。
ダウ戦略ではダウコア10種の方がリターンが高かったですが、S&P10種とS&Pコア10種ではリターンはほとんど変わりませんね。
ちなみに、これも1957年~2003年を調査対象としているので、(しつこいですが)今後も同様の結果となる保証はないので注意が必要ですよ。
2019年2月時点のS&P10種とS&Pコア10種スクリーニング結果
以下に2019年2月22日時点のS&P10種及びS&Pコア10種を示します。
※「S&P10種」、「S&Pコア10種」列の番号は順位を表してます。
※「ティッカー」列の太字箇所は、私が保有している銘柄を表してます。
S&P10種ではフォードが1位。でも投資は・・・
S&P10種の1位はフォードでした。
配当利回りは6.89%と超高配当です。
フォードのPERは6%と低く、市場の見方は悲観的です。
その為、高配当と言えども株価低迷による影響が大きいので投資には注意が必要です。
しかも、配当実績も少なく、無配になる可能性も高いですし。
2位のAT&Tも同様にPERは10%と低く、同じように市場の評価もよくありません。
しかし、34年連続増配の実績と配当性向を考慮すれば、同じ高配当でもAT&Tへの投資の方が安心感がありますね。
全ての高配当戦略に該当する、たった1つの銘柄とは・・・
前回のダウ10種、ダウコア10種と今回のS&P10種、S&Pコア10種の全てに該当している銘柄が1つだけありました。
それはIBMです。
ダウ10種、ダウコア10種では2冠の負け犬銘柄でしたね。
でもこれって結構すごくないですか?
まずダウ30種に選ばれないといけないですし、しかも高配当+連続増配という条件全てを満たす必要があります。
私はIBMへの投資に若干の懸念を抱いてましたが、この結果によりちょっと希望を感じられました。
最後に
過去の実績によればS&P10種とS&Pコア10種のリターンはS&P500インデックスよりも高いパフォーマンスを示してきました。
が、これはあくまでも過去の話であり、現在の市場には当てはまらないという意見もあります。
しかし、個人的には本戦略は現在でも有効だと思ってます。
特に15年連続配当でスクリーニングするダウコア10種及びS&Pコア10種は魅力的ですね。
やはり高配当なのにもかかわらず、実績があるという安心感が大きく、長期投資向きだと考えられるからです。
とはいえ、これはあくまでも投資戦略の考え方の1つであり、高リターンを保証するものではないことは決して忘れてはなりません。
投資は全て自己責任ですので。
↓合わせて読んで頂きたい記事です。
高配当のETFを集めたVYMとHDVについて書いた記事です。
個別株はリスクが高いので、ETFに投資するという選択肢もありますね。
今回のスクリーニングでは該当しませんでしたが、高配当のADRもおすすめです。
なんといっても外国税がかからないのが一番の魅力です。